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自律神経と腸の関係 ― 腸活と東洋医学の視点から ―

「お腹の調子が悪いと気分まで落ち込む」「ストレスを感じるとすぐにお腹が痛くなる」――そんな経験をしたことはありませんか?
近年、「腸は第二の脳」と呼ばれるほど、腸と心・自律神経の関わりが注目されています。
実は東洋医学の世界でも古くから「心身一如(体と心はひとつ)」と考えられ、腸の不調と自律神経の乱れが密接に関わっていることが指摘されてきました。
腸と自律神経の関係
腸は、食べたものを消化・吸収するだけでなく、免疫やホルモンの分泌にも関わる重要な臓器です。
実際、腸には「腸内神経系」と呼ばれる神経ネットワークが存在し、脳と独立して動けるほどの機能を持っています。
腸の働きは、自律神経によってコントロールされています。
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交感神経が優位になると、腸の動きは抑えられ、便秘になりやすい。
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副交感神経が優位になると、腸が活発に動き、下痢や腹痛を起こしやすい。
つまり、自律神経のバランスが崩れると「便秘」「下痢」「お腹の張り」などの症状が出やすくなるのです。
ストレスと腸のトラブル
現代人に多いのが「過敏性腸症候群(IBS)」です。
強いストレスや緊張で腸が敏感になり、下痢や便秘を繰り返す状態を指します。
検査をしても異常は見つからないのに、日常生活に支障が出るほどつらい症状が続くことがあります。
これは「脳腸相関(のうちょうそうかん)」と呼ばれる仕組みで、脳で感じたストレスが腸に影響を与え、腸からの信号がまた脳に返ってくる、という双方向の関係が関わっています。
まさに「心と腸はつながっている」証拠といえるでしょう。
東洋医学からみた腸と自律神経
東洋医学では腸を「脾(ひ)」や「大腸・小腸」の働きと関連づけて考えます。
脾は食べ物から気(エネルギー)をつくり出し、全身に巡らせる役割を持っています。脾が弱ると疲れやすく、気力も出なくなり、精神面にも影響が出やすいとされます。
また、「腸の働きは心の状態に左右される」とも考えられています。
例えば、ストレスや不安が続くと「肝(かん)」の気が滞り、それが脾や腸の働きを妨げて下痢や便秘を引き起こすと説明されます。つまり東洋医学的にも、腸と心、自律神経は密接に結びついているのです。
鍼灸で腸を整える仕組み
鍼灸は、自律神経のバランスを整え、腸の動きを調整する手助けをします。
1.リラックス効果
鍼灸刺激で副交感神経が高まり、腸の自然な動きが引き出されます。過緊張による便秘や張りが改善されやすくなります。
2.血流改善
お腹周りの血流を良くすることで、消化吸収を助け、腸の働きがスムーズになります。
3.ストレス軽減
鍼灸はストレスホルモンを抑制する働きがあり、精神的な不安や緊張による腸トラブルを和らげる効果が期待できます。
腸活とツボ養生
腸と自律神経を整えるために、日常でも取り入れられるツボをご紹介します。
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天枢(てんすう):おへその両脇にあるツボ。便秘・下痢どちらにも効果的。
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足三里(あしさんり):胃腸機能を整え、体力を養う代表的なツボ。
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関元(かんげん):おへそから指4本分下。お腹を温め、腸の働きを強める。
お灸や指圧でやさしく刺激することで、腸のバランスを日常的にサポートできます。
腸を整える生活習慣(+東洋医学の視点)
鍼灸と合わせて、生活習慣を見直すことも大切です。
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規則正しい食事:冷たいものや甘いものをとりすぎると「脾」を傷めやすい。温かい食事を心がける。
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十分な睡眠:自律神経を整え、腸の修復にもつながる。
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軽い運動:ウォーキングやストレッチで腸の蠕動運動を促す。
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深呼吸や瞑想:肝の気を巡らせ、ストレスによる腸の不調を防ぐ。
まとめ
腸と自律神経は切り離せない関係にあります。
ストレスや生活習慣の乱れで自律神経が乱れると、腸の調子も崩れ、さらに気分や免疫にまで影響が及びます。
東洋医学では「腸を整えることは心を整えること」と考え、鍼灸を通じて腸と自律神経の調和をはかってきました。
「便秘や下痢が続く」「お腹の不調と気分の落ち込みがセットで来る」という方は、腸と自律神経の乱れが関係しているかもしれません。鍼灸で体のバランスを整え、腸から心身を元気にする“腸活”を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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