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腓骨神経麻痺とは?歩けない・つま先が上がらない原因に

ある日突然、歩いているとつま先が引っかかる。足を上げにくく、つまずきやすい。こんな症状が出てきたら、「腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)」の可能性があります。
腓骨神経とは、太ももの後ろを走る坐骨神経から分かれ、膝の外側を通って足の甲や足指まで走る神経です。
特に膝の外側(腓骨頭部)では皮膚のすぐ下を通るため、圧迫や損傷を受けやすい場所です。
腓骨神経が麻痺すると、つま先を上に上げる「背屈(はいくつ)」という動きが難しくなり、「下垂足(かすいそく)」と呼ばれる状態になります。足首がだらんと下がったままで、自分の意思で持ち上げられないため、歩行に支障が出るのです。
原因は?どんな人がなりやすいの?
腓骨神経麻痺の原因はさまざまですが、多いのは以下のようなケースです。
・ 長時間の正座やしゃがみ姿勢
・ ギプスやサポーターによる圧迫
・ 痩せ型で筋肉や脂肪が少ない方(神経が骨に押し付けられやすいため)
・ 足の骨折や手術後の影響
・ 糖尿病やアルコール依存などによる神経障害
中には原因がはっきりしない「特発性」と呼ばれるものもあります。
鍼灸でアプローチできること
整形外科では、電気刺激療法や装具の使用、場合によっては手術などが選択されます。
しかし、こうした治療だけでは回復に時間がかかることもあります。
そこで、補完医療として注目されているのが「鍼灸治療」です。
鍼灸には以下のような効果が期待できます。
1.神経の再生や修復を促す
鍼灸刺激は、局所の血流を改善し、神経の回復を助けると考えられています。特に腓骨神経の通り道や関連する経穴(ツボ)を刺激することで、神経の再生環境を整えることが期待されます。
2.筋肉の萎縮を予防
腓骨神経麻痺が起こると、前脛骨筋や長趾伸筋など、足の甲を持ち上げる筋肉が使えなくなり、次第に萎縮してしまいます。鍼やお灸によって筋肉を適度に刺激し、廃用性萎縮(使わないことによる筋力低下)を防ぐことができます。
3.神経痛や違和感の緩和
一部の患者さんでは、しびれやジリジリするような神経痛が続く場合もあります。鍼灸は、こうした神経痛や不快感の緩和にも有効とされます。
実際の鍼灸施術ではどうするの?
治療の中心になるのは、腓骨神経が通る「腓骨頭周囲」、足首やふくらはぎ、足の甲などの関連部位への鍼施術です。具体的には、以下のようなツボを使うことが多いです。
・ 陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側にあり、腓骨神経の近く
・ 足三里(あしさんり):胃腸の調整にも使われるが、下肢の血流促進に効果的
・ 陽交(ようこう)・申脈(しんみゃく)など足首周囲のツボ:下垂足改善にアプローチ
また、状態に応じてお灸や温灸も併用し、筋肉の緊張や血流を整えていきます。
症状が出てすぐの時期ほど回復しやすいため、「様子を見よう」と放っておくよりも、できるだけ早めに対処することが重要です。
患者さんからよくある質問
Q:鍼は痛いですか?
→ 鍼は髪の毛ほどの細さで、多くの方が「思ったより痛くない」とおっしゃいます。
Q:どのくらいのペースで通えばいいですか?
→ 初期は週2回程度が理想です。回復の程度に応じて、徐々に間隔をあけていきます。
Q:治るまでどれくらいかかりますか?
→ 神経の損傷の程度や年齢、生活習慣によって異なりますが、軽度であれば数週間~1か月、重度であれば数か月以上かかることもあります。
最後に:あきらめないで、自然治癒力を高める選択を
腓骨神経麻痺は、日常生活のちょっとした姿勢や習慣が引き金になることもある症状です。
治療に時間がかかることもありますが、神経には再生能力があります。
鍼灸はその力を引き出し、回復をサポートする手段のひとつです。
整形外科と併用しながら、東洋医学的な視点を加えることで、より早い回復を目指すことも可能です。
歩き方に違和感がある、つま先が引っかかる、そんなときはお気軽に鍼灸院へご相談ください。
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