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手足の冷えやしびれと鍼灸

~東洋医学でめぐりを整える~
「手足が冷える」「しびれたような感覚がある」「冬だけでなく夏でも指先が冷たい」
――こうした症状にお悩みの方は少なくありません。手足の冷えやしびれは、単に体質のせいと片づけられがちですが、東洋医学ではれっきとした“未病(みびょう)”の一種と捉え、全身の巡りやバランスの乱れのサインとして考えます。
本コラムでは、西洋医学での原因も踏まえながら、東洋医学における視点と鍼灸治療のアプローチについて解説していきます。
冷えやしびれの原因とは?
手足の冷えやしびれの原因は多岐にわたります。西洋医学では以下のような可能性が考えられます。
・ 血行不良:動脈硬化や血管収縮、運動不足などによって末端まで血液が届きづらくなります。
・ 神経の圧迫:首や腰の神経根が圧迫されると、しびれや感覚異常が現れます(例:頸椎症や坐骨神経痛など)。
・ 末梢神経障害:糖尿病やアルコール、ビタミン不足などで神経に異常が生じ、しびれが起こることがあります。
・ 自律神経の乱れ:ストレスや生活リズムの乱れにより、体温調節機能がうまく働かなくなります。
西洋医学的な精査も重要ですが、「異常はないと言われたが症状はつらい」という方も多く、東洋医学による“気・血・水”の流れの見直しが効果を発揮する場面が少なくありません。
東洋医学から見た“冷え”と“しびれ”
東洋医学では、手足の冷えやしびれは「気血(きけつ)の巡りの滞り」や「寒邪(かんじゃ)の侵入」によって起こると考えます。特に重要なのが、以下の3つの視点です。
① 気血の不足(気虚・血虚)
エネルギー(気)や栄養(血)が不足していると、身体の末端まで十分に巡らなくなり、冷えやしびれが起こりやすくなります。顔色が悪い、疲れやすい、動悸や息切れがある人は気血の不足が疑われます。
② 気血の滞り(瘀血・気滞)
気血はあっても、流れが悪くなっている状態です。瘀血(おけつ)は血液の滞り、気滞(きたい)は気の巡りの悪さを指します。しびれや刺すような痛み、肩こりや冷えを伴うことがあります。
③ 外寒の侵入(寒邪)
体が冷えたり、冷気にさらされ続けることで“寒邪”が体内に入り、巡りを阻害することがあります。冬場やクーラーのきいた部屋で悪化するケースがこれに当たります。
鍼灸治療のアプローチ
鍼灸治療では、全身のバランスを整えると同時に、局所の血流や神経の働きを高めていくことを目指します。特に手足の冷えやしびれに対しては、以下のような施術が効果的です。
● 経絡の流れを整える
東洋医学では、体中に「経絡(けいらく)」と呼ばれるエネルギーの通り道があると考えられています。冷えやしびれが出ている部位に対応する経絡の流れを整えることで、巡りがよくなり、症状の軽減が期待できます。
たとえば、手の冷えには「手の太陰肺経」、足の冷えには「足の少陰腎経」や「足の太陽膀胱経」などを刺激します。
● お灸で温める
お灸は、ツボを温熱で刺激し、「陽気(ようき)」を補い体を芯から温める作用があります。冷え症には非常に有効で、心地よい温かさがじんわりと巡りを促します。
特に「三陰交(さんいんこう)」「足三里(あしさんり)」「関元(かんげん)」といったツボは、冷え対策でよく用いられます。
● 自律神経へのアプローチ
首肩や背中、頭部のツボを刺激することで、自律神経のバランスを整える効果もあります。これにより、血管の拡張や収縮がスムーズになり、手足の血流改善につながります。
日常生活のセルフケアも大切
鍼灸治療と並行して、日々の生活習慣の見直しも効果を高めるうえで欠かせません。
・ 冷たい飲食を控え、温かいものを中心に摂る
・ 軽い運動やストレッチで筋肉を動かす
・ 足首や手首を冷やさないよう保温する
・ ストレスを溜めず、深呼吸や入浴でリラックスする
こうした工夫に鍼灸治療を組み合わせることで、体の中から冷えやしびれに強い体質へと導くことが可能です。
最後に
手足の冷えやしびれは、単なる末端の問題ではなく、全身の「めぐり」の乱れからくる症状です。
東洋医学では、その人の体質や生活習慣を丁寧に見ながら、根本的な改善をめざすことができます。
つらい冷えやしびれに悩まされている方は、ぜひ一度鍼灸治療を試してみてはいかがでしょうか。身体の内側から整えていく感覚を、ぜひ体験してみてください。
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