五臓六腑とは?

 

〜東洋医学の視点で“内臓”と体のつながりを見つめる〜

東洋医学では、体の状態を診るうえで「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」という考え方がとても重要になります。

西洋医学のような「解剖学的な臓器のはたらき」ではなく、体のバランス・感情・気血の流れまで含めた“全体像”としての内臓の見立てです。

鍼灸においても、ツボや経絡を通じてこの五臓六腑を整えることで、様々な不調にアプローチしていきます。
今回は、そんな五臓六腑の基本と、鍼灸とのつながりについてわかりやすくお話しします。

 

 


 

 

◆ 五臓六腑とは?

東洋医学では、**人の体の内側にある「機能のまとまり」**を「五臓」と「六腑」に分けてとらえます。

・ 五臓(肝・心・脾・肺・腎):体の「陰」の働き(主に貯蔵・維持の機能)

・ 六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦):体の「陽」の働き(主に通過・排泄の機能)

これらは物理的な臓器を指すだけでなく、心身の働きや感情、エネルギーの流れとも密接に関係していると考えられています。

 

 

◆ 五臓のはたらきと乱れのサイン 

主なはたらき不調のサイン感情との関係
肝(かん)血を蓄える、気の巡りを調整目の疲れ、生理不順、イライラ怒(いかり)
心(しん)血を巡らせ、精神をつかさどる動悸、不眠、焦燥感喜(よろこび)
脾(ひ)消化吸収、気血の生成食欲不振、むくみ、疲れやすい思(うれい)
肺(はい)呼吸、水分代謝、免疫咳、鼻炎、皮膚のトラブル憂(うれい)・悲(かな)
腎(じん)生命力・成長・老化・生殖足腰のだるさ、冷え、耳鳴り恐(おそれ)

  

五臓は、体調や感情のバランスを保つ要の存在
「肝が疲れるとイライラしやすくなる」「腎の力が落ちると老けやすい」など、心と体の両面に影響を及ぼすとされています。 

 

 

◆ 六腑のはたらきとは?

一方、六腑は「食べ物の通り道・不要なものの排出」など、動きのある働きを司っています。

・ 胆(たん):判断力や決断力にも関与。肝とペアで働く

・ 小腸:栄養の吸収をコントロール

・ :食物の受け入れと消化

・ 大腸:排泄を担当。便秘や下痢と関係

・ 膀胱:水分代謝と関係し、むくみや頻尿などに影響

・ 三焦(さんしょう):体全体の水の巡りを調整する“架空の臓器”。熱や水のバランスに関与

六腑の不調は、食欲や便・尿・むくみ・のどの渇きなどの変化として現れることが多いです。
 

 

◆ 鍼灸と五臓六腑の関係

鍼灸治療では、五臓六腑の「バランスの乱れ」を整えることを目標に施術を行います。
ツボ(経穴)は、それぞれ特定の臓腑と経絡(気血の流れの通り道)でつながっているため、外側から内臓の機能にアプローチできるとされているのです。

たとえば:

・ 「月経前に怒りっぽくなる+生理が乱れる」→ 肝の経絡を整える

・ 「胃もたれ+むくみ+疲れやすい」→ 脾と胃を補うツボを選ぶ

・ 「夜中に目が覚める+動悸」→ 心のツボを刺激して鎮静させる

こうした施術は、痛みや症状のある部位だけでなく、体質・気質・感情・季節との関係も考慮してツボを選ぶのが特徴です。
 

 

◆ 五臓と感情・ストレスの深い関係

東洋医学では、「五臓」と「感情」が密接に関係するとされています。

・ 怒り → 肝

・ 喜び → 心

・ 憂い・悲しみ → 肺

・ 思い悩む → 脾

・ 恐れ → 腎

感情が強すぎたり長く続いたりすると、その臓腑が弱ると考えられており、逆に臓腑の不調が感情のアンバランスを生むことも。

つまり、心と体は切り離せないというのが東洋医学の大前提であり、鍼灸は「心身両面に働きかける施術法」として非常に有効なのです。

 

 

◆ まとめ:五臓六腑から“今の自分”が見えてくる

現代社会では、原因のはっきりしない不調や、検査では「異常なし」とされるけれどつらい症状が多くあります。

そんなとき、五臓六腑という視点で体を見つめ直してみると、

・ 「自分の不調の原因がなんとなくわかった」

・ 「感情や生活習慣とつながっていた」

・ 「一時しのぎじゃなく、根本から整えていきたいと思った」

という方も少なくありません。

鍼灸は、五臓六腑の働きを整え、体の内側からじっくりと回復をサポートする医療です。
不調を感じたとき、「自分の中のどこが乱れているのか?」という東洋医学の視点で体に寄り添ってみませんか?

 

 

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