子宮筋腫と鍼灸 〜女性の身体に寄り添うやさしいケア〜

 

 

 

子宮筋腫は、子宮の筋層にできる良性の腫瘍で、30〜50代の女性に多く見られます。

良性であるため命に関わることは少ないものの、生理痛の悪化、経血量の増加、貧血、下腹部の張り、腰痛など、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

近年では、西洋医学による治療と併行して、体質改善を目的に「鍼灸」を取り入れる女性も増えています。

 

 

 


 

 

 

子宮筋腫ができる原因

 

子宮筋腫の明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、「女性ホルモン(特にエストロゲン)」の影響が大きいと考えられています。

エストロゲンが過剰に分泌されると、子宮内膜や筋層が過度に刺激を受け、筋腫が成長しやすくなります。

さらに、ストレスや冷え、血行不良などが加わると、子宮への血流が滞り、老廃物の排出がうまくいかず、筋腫の増大や症状の悪化につながることがあります。

特に現代女性は、仕事・家庭・人間関係などで常にストレスを感じやすく、自律神経やホルモンバランスが乱れやすい環境にあるといえるでしょう。

 

 

 

東洋医学からみた子宮筋腫

 

東洋医学では、子宮筋腫の背景には「気滞(きたい)」「血瘀(けつお)」「痰湿(たんしつ)」という3つの要因が関係していると考えます。

 

  • 気滞:ストレスなどで“気”の巡りが悪くなり、下腹部に張りや痛みが生じる状態。

  • 血瘀:血の巡りが滞り、しこりや瘀血(おけつ:古い血)ができる状態。

  • 痰湿:代謝が悪く、体内に余分な水分や老廃物が溜まっている状態。

 

これらが組み合わさると、子宮内の流れが悪化し、筋腫が成長しやすい「土壌」ができてしまうのです。

 

 

 

 

 

 

鍼灸によるアプローチ

 

鍼灸では、単に筋腫を「小さくする」ことを目的とするのではなく、「筋腫ができやすい体質」を根本から整えることを目指します。

たとえば、子宮筋腫の方に多く見られるのは、冷え性、便秘、肩こり、月経痛、疲れやすさなど。これらはすべて「気血の巡りの悪さ」や「自律神経の乱れ」と関係しています。

鍼灸でツボを刺激することで、血流やホルモンバランス、自律神経の働きを整え、筋腫の成長を抑えたり、症状をやわらげたりする効果が期待できます。

 

 

 

よく使われるツボ

 

  • 関元(かんげん):子宮や卵巣の働きを高め、下腹部を温める。

  • 気海(きかい):生命エネルギーを補い、体の芯から温める。

  • 三陰交(さんいんこう):生理やホルモンバランスの調整に欠かせないツボ。

  • 血海(けっかい):血の巡りを改善し、瘀血を解消する。

  • 中極(ちゅうきょく):子宮機能を高める中心的なツボ。

 

これらのツボに鍼やお灸を行うことで、骨盤内の血流を促進し、冷えやむくみを改善。

身体全体の循環を良くすることで、自然治癒力を高めていきます。

 

 

 

自律神経を整える効果

 

子宮筋腫の症状を悪化させる一因として「自律神経の乱れ」も挙げられます。

ストレスによって交感神経が過剰に働くと、血管が収縮し、子宮への血流が減少します。

鍼灸は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。

施術後に「身体が温まった」「お腹が柔らかくなった」「気持ちが落ち着いた」と感じるのは、まさに自律神経のバランスが整った証拠です。

 

 

 

西洋医学との併用について

 

子宮筋腫の治療は、薬物療法(ホルモン療法)や手術(筋腫摘出・子宮全摘など)が行われることがあります。

しかし、症状や大きさによっては経過観察になるケースも多く、その間に鍼灸で体質を整えることで、筋腫の成長を抑えたり、症状の緩和を図ったりすることが可能です。

ホルモン療法による副作用(のぼせ・むくみ・イライラなど)が出やすい場合にも、鍼灸はサポートとして有効です。

血流や代謝を高めることで、薬の影響を和らげ、体調を安定させる助けになります。

 

 

 

生活の中でできる工夫

 

鍼灸と合わせて、日常生活でのセルフケアも大切です。

 

  • 下腹部や足元を冷やさないようにする

  • 温かい飲み物を選び、カフェインを控える

  • 適度な運動で骨盤内の血流を促す(ウォーキング・ヨガなど)

  • ストレスをためず、リラックス時間を意識して作る

 

体を温め、巡りを整える生活を心がけることで、鍼灸の効果もより長続きします。

 

 

 

まとめ

 

子宮筋腫は、単なる「できもの」ではなく、身体全体のバランスの乱れを映す“サイン”でもあります。

鍼灸は、そのサインをやさしく読み取り、血流・ホルモン・自律神経を整えることで、根本から改善を目指す治療法です。

手術や薬だけに頼るのではなく、自分の身体のリズムを知り、整えていく。そのサポートとして鍼灸を取り入れることで、女性が本来持っている「治る力」を引き出すことができます。

子宮筋腫に悩む方は、一度「冷え」「巡り」「自律神経」という視点から、鍼灸の可能性を感じてみてください。

 

 

 

 

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