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中心性網膜症と鍼灸 ― ストレス社会に増える目の不調に東洋医学の視点を

中心性網膜症とは?
中心性網膜症(ちゅうしんせいもうまくしょう)は、眼球の奥にある網膜の中心部分(黄斑部)に水がたまり、視力や視野に異常が出る病気です。
主に働き盛りの30~50代男性に多く見られ、近年はストレス社会の影響で増加傾向にあります。
網膜の黄斑部は、ものを見る上で最も大切な部分であり、ここに水がたまると視覚に大きな影響が出ます。
代表的な症状には、
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視界の中心がぼやける
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物が歪んで見える(変視症)
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色が正しく認識できない
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片目で見たときに真ん中が暗く感じる
などがあります。
自然に改善する場合もありますが、再発や慢性化に悩む方も少なくありません。
原因と西洋医学的治療
中心性網膜症の明確な原因は解明されていませんが、ストレスや過労、自律神経の乱れ、ステロイド薬の使用が大きく関わっているとされています。
西洋医学では、経過観察が基本です。多くは数か月以内に自然に改善しますが、治りが悪い場合や慢性化した場合には、レーザー治療や抗VEGF薬の注射といった処置が行われることもあります。
しかし、根本的に「なぜ水がたまるのか」という原因を取り除くのは難しく、再発を繰り返すケースがあるのが現状です。
東洋医学からみた中心性網膜症
東洋医学では、目の働きは「肝」と「腎」に深く関わると考えられています。
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肝は「血を蔵し、目に開竅する」とされ、血の巡りやストレスとの関わりが強い臓器です。過度なストレスや怒りは「肝気鬱結(かんきうっけつ)」を招き、気血の流れを滞らせます。
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腎は「精を蔵し、水を主る」とされ、体内の水分代謝や神経の働きと関係します。腎の機能が低下すると、余分な水が目に停滞するイメージで捉えられます。
つまり、中心性網膜症は「ストレスによる肝気の滞り」と「腎の弱りによる水分代謝不良」が重なり、網膜に水がたまると理解できます。
また、長時間のパソコン作業や睡眠不足などによる「気血の消耗」も、目の修復力を妨げる要因になります。
鍼灸によるアプローチ
鍼灸は、直接網膜に作用するわけではありませんが、全身のバランスを整えることで症状の回復を助けます。
主な施術のポイント
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自律神経を整える
「百会(ひゃくえ)」「印堂(いんどう)」「内関(ないかん)」などを用いて、ストレスによる自律神経の乱れを鎮めます。 -
肝の気血を調える
「肝兪(かんゆ)」「太衝(たいしょう)」を使って気の巡りをスムーズにし、目への血流を改善します。 -
腎の機能を補う
「腎兪(じんゆ)」「太谿(たいけい)」を刺激し、神経・ホルモンバランスを整え、水分代謝を助けます。 -
目周囲のツボ刺激
「睛明(せいめい)」「攅竹(さんちく)」「太陽」などで局所の血行を促進し、眼精疲労をやわらげます。
これらを組み合わせることで、身体全体の回復力を引き出し、自然治癒を後押しします。
鍼灸が期待できる効果
鍼灸によって期待できるのは以下の点です。
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ストレス緩和と自律神経の安定
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血流改善による網膜への栄養供給促進
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水分代謝を整え、むくみ体質の改善
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睡眠の質を高め、回復力を底上げ
これらは直接的に病変を治すものではありませんが、体の自然な修復力を引き出すことで、回復スピードを上げたり、再発予防につながると考えられます。
日常生活で気をつけたいこと
中心性網膜症の改善には、鍼灸とともに生活習慣の見直しも欠かせません。
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睡眠を十分にとり、目と体を休める
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ストレスを溜めすぎない工夫をする(軽い運動、深呼吸、趣味の時間)
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カフェインやアルコールを控え、体への負担を減らす
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スマートフォンやパソコンの長時間使用を避ける
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栄養バランスを意識し、特にビタミンC・E、ルテインなど目に良い栄養素を摂る
これらを続けることで、再発防止や症状の安定につながります。
まとめ
中心性網膜症は、ストレスや自律神経の乱れと深く関係しており、現代人に増えている目の疾患です。
西洋医学による経過観察やレーザー治療に加えて、鍼灸で全身のバランスを整えることは、自然治癒力を高め、再発予防や生活の質の向上につながります。
「治るまで不安」「繰り返すのを防ぎたい」という方にとって、鍼灸は体と心の両面から支える有効な手段になるでしょう。
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