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強膜炎と鍼灸 ― 目の奥から整える東洋医学的アプローチ

強膜炎とは?
強膜炎(きょうまくえん)は、眼球の白目部分を覆っている「強膜」に炎症が起こる病気です。
強膜は眼球を形づくり、丈夫に保つ役割を持つ大切な組織で、炎症が生じると強い痛みや充血、視力低下を引き起こします。
特に深部にまで炎症が及ぶ場合は「後部強膜炎」と呼ばれ、視覚に重大な障害を残すこともあるため注意が必要です。
症状は、
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激しい眼痛(動かすと痛むこともある)
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白目の充血や紫色の変化
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涙や光に対する過敏症
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視力の低下
などが代表的です。結膜炎や角膜炎と異なり、痛みが強いのが特徴です。
原因と西洋医学的治療
強膜炎は、感染症によるものもありますが、多くは自己免疫疾患(関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど)に関連しています。
体の免疫が誤って自分自身の組織を攻撃してしまうことで炎症が起こるのです。
そのため、治療にはステロイドや免疫抑制剤が用いられることが多く、再発を繰り返すこともあります。
現代医学の治療は欠かせませんが、薬の副作用や慢性的な炎症で悩まれる方も少なくありません。
ここで補助的に活用できるのが鍼灸などの東洋医学的アプローチです。
東洋医学からみた強膜炎
東洋医学では、目は「五臓六腑の精華」と呼ばれ、全身の状態が目に現れると考えられています。
特に「肝」と「腎」は視機能と深い関わりを持ちます。
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肝は「血を蔵し、目に開竅する」ため、血の流れが乱れると目に充血や炎症が出やすい。
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腎は「精を蔵し、骨・神経を養う」ため、慢性的な病や老化に関わる。
強膜炎は、東洋医学的に「肝火上炎」「血熱妄行」「陰虚火旺」などと関連づけられます。
これは、ストレスや過労で「肝」に熱がこもったり、体の潤い(陰)が不足して炎症が強まりやすい状態を指します。
また、自己免疫疾患に伴う強膜炎は、「正気不足(体の防御力の低下)」と「邪気の侵入(炎症や免疫異常)」の両面からとらえ、全身のバランスを整えることが重要とされます。
鍼灸によるアプローチ
鍼灸治療では、直接目に鍼を刺すわけではなく、全身のツボを活用して炎症体質を整えていきます。
よく使われるツボ
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睛明(せいめい)、攅竹(さんちく)、太陽:目の周囲の血流を改善し、炎症や痛みをやわらげる。
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肝兪(かんゆ)、腎兪(じんゆ):肝腎を補い、全身のバランスを整える。
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曲池(きょくち)、合谷(ごうこく):炎症や熱を鎮める。
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足三里(あしさんり):免疫力を高め、体力を補う。
灸を併用することで、冷えや血流の停滞を改善し、自己治癒力を高めることも期待できます。
特にお腹や腰への温灸は、全身の循環を助けて炎症体質を和らげるサポートになります。
鍼灸が期待できる効果
鍼灸は強膜炎そのものを直接治すわけではありませんが、以下のようなサポート効果が期待できます。
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免疫バランスの調整:自己免疫疾患に伴う炎症の悪化を抑えるサポート。
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血流改善:目の栄養状態を整え、組織修復を助ける。
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自律神経の安定:ストレスや疲労による炎症悪化を防ぐ。
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全身調整:消化・睡眠・自律神経の改善により、体の回復力を底上げする。
日常生活でできるケア
強膜炎の症状を和らげるためには、生活習慣の見直しも大切です。
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睡眠をしっかり取り、目を休ませる
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目の乾燥を防ぐ(加湿、適切な点眼)
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香辛料やアルコールを控え、炎症を助長しない食生活を意識する
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ストレスをためすぎず、リラックス習慣を持つ
鍼灸と生活習慣の改善を組み合わせることで、再発を防ぎ、炎症のコントロールがしやすくなります。
まとめ
強膜炎は強い痛みや視力障害をもたらす可能性があり、西洋医学による治療が最優先です。
しかし、再発や慢性化に悩む方にとって、鍼灸は全身を整え、免疫や血流を改善することで回復を後押しする有効な手段になり得ます。
「薬だけでは不安」「再発を少しでも防ぎたい」と思われる方は、鍼灸を補助療法として取り入れることで、目の健康を長期的に守る一助になるかもしれません。
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