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ものもらいと鍼灸 ― 目の腫れを整える東洋医学の視点

はじめに
「まぶたが赤く腫れて痛い」「目の縁にしこりのようなものができて違和感がある」
──そんな症状で悩まされた経験はありませんか?
これらは一般的に「ものもらい」と呼ばれる症状で、医学的には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といいます。
細菌感染によってまぶたの脂腺や汗腺に炎症が起きることで発症し、多くは数日~1週間程度で自然に治ることが多いですが、強い痛みや再発を繰り返す場合もあります。
現代医学では抗菌薬や点眼薬、場合によっては切開処置が行われますが、再発防止のためには体質や生活習慣の改善が欠かせません。
そこで注目されるのが「鍼灸」です。
東洋医学では、ものもらいは単なる感染症ではなく、体のバランスの乱れが原因で起こると捉え、全身調整を通して症状の改善を目指します。
東洋医学的に見る「ものもらい」
東洋医学では、目の症状は五臓六腑の働きと密接に関わります。
特に「肝」と「脾」のバランスが崩れることで、ものもらいが起こりやすいと考えられています。
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風熱(ふうねつ)の侵入
外からの邪気(風や熱)が体に侵入し、目に炎症を引き起こすと赤みや腫れが出ます。急に出て痛みや熱感を伴うタイプです。 -
肝火上炎(かんかじょうえん)
ストレスや不規則な生活により「肝」のエネルギーが過剰に高まり、炎症として目に現れるパターンです。イライラや頭痛、顔の赤みを伴うこともあります。 -
脾胃湿熱(ひいしつねつ)
脂っこい食事や甘いものの摂りすぎで脾胃に「湿熱」がこもり、目の周囲に膿や腫れとして現れるタイプ。消化不良や胃もたれを伴うことが多いです。 -
気血不足
慢性的な体力低下や免疫力の弱さによって細菌に対抗できず、ものもらいを繰り返すケースです。
このように、ものもらいは単に「ばい菌が入った」だけではなく、体の内部環境の乱れが背景にあると考えられるのです。
鍼灸で期待できる効果
鍼灸治療は、炎症や痛みの軽減だけでなく、再発しにくい体質づくりを目的に行われます。
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炎症を鎮める作用
局所や全身のツボを用いることで、免疫反応や血流を整え、腫れや熱感をやわらげます。 -
免疫力・抵抗力の強化
鍼灸には白血球の働きを活性化させる効果が報告されており、細菌感染に対する抵抗力を高める助けになります。 -
ストレス緩和
ストレスによる肝火の高ぶりを落ち着け、自律神経を調整することで、炎症が繰り返されにくくなります。 -
体質改善
脾胃の働きを整えたり、気血を補ったりすることで、慢性的にものもらいを起こしやすい体質を根本から見直します。
よく使われるツボ
ものもらいの治療に用いられる代表的なツボを紹介します。
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睛明(せいめい)・攅竹(さんちく)・太陽(たいよう)
目の周囲の血流を促し、炎症や腫れを改善する。 -
合谷(ごうこく)
顔や目の症状に広く用いられる万能のツボ。炎症や痛みを鎮める効果がある。 -
曲池(きょくち)・外関(がいかん)
熱を冷まし、炎症を沈める。 -
足三里(あしさんり)・脾兪(ひゆ)
胃腸機能を整え、湿熱の停滞を改善する。
症状が急性期か慢性期かによっても選穴が異なり、個人の体質を考慮しながら治療が組み立てられます。
生活習慣とセルフケア
鍼灸と並行して、生活習慣を整えることが再発予防に大切です。
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脂っこい食事や甘いものを控える
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十分な睡眠をとる
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目をこすらない、清潔に保つ
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ストレスをため込まない
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規則正しい生活で免疫力を維持する
温かいタオルで目を温めることも血流改善に役立ちます。
ただし、炎症が強い場合は冷やすほうがよいケースもあるため、状態に応じて対応しましょう。
まとめ
ものもらいは一見、軽い病気に思えますが、繰り返すことで日常生活に不快感や不便さをもたらします。
鍼灸は局所の炎症を和らげるだけでなく、体質を整えることで「できにくい体」をつくることを目指せる点が特徴です。
「よくものもらいができる」「疲れるとすぐ目が腫れる」といった方は、体の内側からのサインと捉え、鍼灸で全身の調子を整えることを検討してみてはいかがでしょうか。
目の健康は体の健康そのもの。鍼灸を通じて、クリアで快適な日常を取り戻しましょう。
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