お知らせ & コラム NEWS / COLUMN
ドライアイと鍼灸 ― 目の潤いを取り戻す東洋医学的アプローチ はじめに

はじめに
近年、スマートフォンやパソコンの長時間使用が日常化し、目の疲れや乾きに悩む方が急増しています。
その代表的な症状が「ドライアイ」です。
目が乾いてゴロゴロする、充血しやすい、しょぼしょぼして物が見えにくいといった症状は、生活の質を大きく低下させます。
現代医学では、ドライアイは涙の分泌量が減少するタイプと、涙の質が悪く蒸発しやすくなるタイプに大別されますが、治療の中心は目薬の点眼です。しかし、それだけではなかなか改善しにくい慢性的なドライアイに悩む方も多いのが現状です。
そこで注目されているのが、体全体のバランスを整える「鍼灸」です。
東洋医学では、目の不調を単なる局所の問題と捉えず、全身の気血の巡りや内臓の働きと深く関わると考えています。
本稿では、ドライアイの東洋医学的な理解と鍼灸治療の可能性について詳しくご紹介します。
ドライアイの東洋医学的な理解
東洋医学では、目は「五臓六腑」の働きを反映する大切な器官とされ、「肝は目に開竅する」と言われます。
つまり、目と肝の働きは密接に関わっています。
-
肝血不足:長時間の目の酷使や慢性的な疲労で「肝の血」が消耗すると、目を潤す栄養が不足し、乾燥や視力のかすみが起こりやすくなります。
-
陰虚火旺:体内の潤い成分である「陰」が不足し、相対的に余った「陽」が火となって上にのぼると、目に熱がこもり、赤みや乾燥感、灼熱感を伴うドライアイが現れます。
-
脾胃虚弱:食生活の乱れや消化機能の低下により「気血」が十分に作られないと、目にまで栄養が届かず、うるおいが不足する状態になります。
-
気血の巡りの停滞:ストレスや肩こりから「気滞」や「血瘀」が生じると、目の周囲の血流が悪化し、ドライアイや眼精疲労を悪化させる要因となります。
つまり、ドライアイは単なる「目の水分不足」ではなく、体全体のバランスの乱れの結果として現れると考えられるのです。
鍼灸で期待できる効果
鍼灸治療は、体の「気・血・水」の巡りを整え、全身のバランスを回復させることでドライアイにアプローチします。
具体的には次のような効果が期待されます。
-
血流改善による目の栄養補給
鍼灸によって眼周囲や頭部の血流が改善されると、目に必要な酸素や栄養が行き渡りやすくなります。その結果、涙の分泌機能もサポートされます。 -
自律神経の調整
涙の分泌は自律神経の働きに大きく左右されます。鍼灸は副交感神経を優位にしてリラックス状態をつくるため、涙腺の働きを助け、自然な潤いを促します。 -
炎症や熱感の鎮静
東洋医学でいう「熱」を下げるツボを用いることで、目の充血や灼熱感を和らげることができます。 -
体質改善
ドライアイの背景にある肝血不足や陰虚体質、ストレスによる気滞などを整えることで、症状の根本改善を目指します。
よく使われるツボ
ドライアイの鍼灸治療では、目のまわりだけでなく全身のツボを組み合わせます。
-
睛明(せいめい)・攅竹(さんちく)・太陽(たいよう):眼周囲の血流を促進し、目の疲れや乾燥を和らげる。
-
合谷(ごうこく)・太衝(たいしょう):全身の気血の巡りを改善し、ストレス性の目の不調に効果的。
-
肝兪(かんゆ)・腎兪(じんゆ):肝腎を補い、目を養う。
-
三陰交(さんいんこう):体内の陰血を補充し、目の潤いを支える。
これらを症状や体質に応じて使い分けることで、より効果的なアプローチが可能となります。
生活習慣との組み合わせ
鍼灸による治療効果を高めるためには、日常生活の工夫も欠かせません。
-
スマホやパソコンの長時間使用を控え、定期的に休憩をとる
-
睡眠をしっかりとり、目と肝を休める
-
緑黄色野菜やブルーベリーなど目に良い食材を積極的に摂る
-
ストレスをため込まない工夫をする
鍼灸と生活改善を組み合わせることで、より持続的な効果が期待できます。
まとめ
ドライアイは単なる「目の乾き」ではなく、全身のバランスの乱れを映し出すサインでもあります。
鍼灸は局所の症状を和らげるだけでなく、体質や生活習慣の背景にまでアプローチできる点が大きな特徴です。
点眼薬での対処に限界を感じている方、慢性的な目の乾きに悩む方にとって、鍼灸は新たな選択肢となり得るでしょう。
「目は心の窓」と言われるように、目の健康は心身の状態を反映します。
鍼灸で体を整え、目の潤いを取り戻すことで、日常生活をより快適に過ごせるようになることを願っています。
ご予約はこちらから
\相談だけでも大丈夫ですのでお気軽に/
はじめての方も安心の返金保証制度をご用意しております。
たった一度のご来院でも、我々の専門知識と確かな技術で
お客様のお悩みの症状に対する概念を、きっと変えられると思ってます。
是非一度お気軽にご相談ください。
