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視神経萎縮と鍼灸 ― 見えにくさと向き合う東洋医学的アプローチ

視神経萎縮とは
視神経萎縮とは、目と脳をつなぐ「視神経」が障害を受け、細く弱っていく状態を指します。
視神経は目でとらえた映像情報を脳に伝える役割を担っており、この神経がダメージを受けると視力の低下や視野欠損などが起こります。
原因は多岐にわたり、緑内障や網膜疾患、脳の腫瘍や炎症、血流障害、外傷などによって生じることがあります。
一度傷んだ神経は完全に元に戻るのが難しいため、現代医学では「進行を抑える」「合併症を予防する」といった対応が中心です。
このため、患者さんの中には「少しでも回復の可能性を探したい」「進行を遅らせたい」と補完療法として鍼灸を検討される方も少なくありません。
東洋医学からみた視神経萎縮
東洋医学では、目の働きは「肝(かん)」と深い関係があると考えます。
肝は血を蔵し、全身に巡らせる役割を持っており、特に「肝血(かんけつ)」は目を滋養する栄養源とされます。
肝血が不足すると目がかすむ・疲れやすい・視力低下などが生じやすくなります。
また、腎(じん)は「精(せい)」を蓄え、骨や脳、神経の働きと関わります。
腎精の不足は神経機能の衰えにつながり、視神経の健康にも影響を与えるとされます。
つまり、視神経萎縮に対しては「肝血を補い、腎精を養う」ことが大切というのが東洋医学の基本的な考え方です。
さらに、気血の滞り(瘀血)や水分代謝の不良(痰湿)が目や頭部に影響すると、血流障害による視力の低下や視神経の働きの悪化にもつながると解釈されます。
鍼灸のアプローチ
鍼灸は、ツボを刺激して気血の流れを整え、自律神経や血流の改善を促す療法です。
視神経萎縮そのものを根本から治すことは難しいですが、以下のような効果が期待できます。
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血流改善
鍼灸刺激は眼周囲や頭部の血流を促進し、視神経や網膜に栄養を届けるサポートをします。 -
神経機能の調整
中枢神経系に作用し、自律神経を整えることで、視覚機能の回復や維持を助ける可能性があります。 -
全身調整
肝・腎を中心に体全体のバランスを整え、体質改善をはかることで「進行を緩やかにする」「生活の質を高める」といった狙いがあります。 -
随伴症状への対応
視神経萎縮の患者さんには、頭痛や肩こり、疲労感、不眠などを伴うこともあります。鍼灸はこれらの症状緩和にも有効です。
よく用いられるツボ
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睛明(せいめい):目頭付近にあるツボで、眼精疲労や視力の不調に用いられます。
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攅竹(さんちく):眉頭にあるツボで、眼精疲労や頭痛に有効。
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太衝(たいしょう):足の甲にあるツボで、肝の気血を整えます。
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腎兪(じんゆ):腰にあるツボで、腎精を養い神経機能を支えます。
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百会(ひゃくえ):頭頂部のツボで、全身の気を調整し、脳や神経の働きを高めます。
これらはあくまで一例であり、患者さんの体質や症状に応じて施術内容は変わります。
鍼灸施術の流れ
視神経萎縮で鍼灸を受ける場合、まずは詳しい問診を行い、発症の背景や生活習慣、全身状態を把握します。
その上で、脈診や舌診を通して「肝血不足型」「腎精不足型」「瘀血型」などを判断し、ツボを選びます。
施術は眼周囲の局所と全身のツボを組み合わせ、血流と気血のバランスを整えるように進められます。
温灸を併用することでリラックス効果も高まり、施術中に心地よく眠ってしまう方も少なくありません。
継続することで「見え方の安定」「疲れ目の軽減」「視野の進行が遅い気がする」と感じるケースもあり、患者さんの生活の質を守る支えとなります。
日常生活での工夫
鍼灸の効果を高めるには、生活習慣の見直しも重要です。
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栄養バランスのとれた食事(特にビタミンA・B群、DHA、抗酸化成分)
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適度な運動で血流を促進
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睡眠リズムを整えて神経を休める
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目の酷使を避け、定期的に休憩を取る
こうしたセルフケアは視神経を守る上で欠かせません。
まとめ
視神経萎縮は現代医学でも根本的な治療が難しい病気ですが、鍼灸は「血流改善」「自律神経調整」「体質強化」という側面からサポートできる可能性があります。
視力の回復を保証するものではありませんが、症状の進行を和らげ、生活の質を向上させるための一助となるでしょう。
目の健康を守るには、医学的治療と並行して、鍼灸のような自然療法を取り入れることが有効です。
視神経萎縮で不安を抱える方にとって、鍼灸は心強い味方となり得るのです。
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