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動眼神経麻痺と鍼灸 ― 東洋医学的視点からのアプローチ

動眼神経麻痺とは
動眼神経麻痺は、眼球の動きをつかさどる「動眼神経」に障害が生じることで、まぶたが開きにくい(眼瞼下垂)、物が二重に見える(複視)、目が外側や下方に偏ってしまうなどの症状を引き起こす病気です。
動眼神経は眼球のほとんどの筋肉を支配しているため、その影響は日常生活に大きく及びます。
原因は脳血管障害、糖尿病による神経障害、動脈瘤、外傷、炎症など多岐にわたり、場合によっては緊急の精査が必要となることもあります。
西洋医学における治療
病院での治療は、まず原因の特定が優先されます。
脳や血管の異常が疑われる場合はMRIやCTなどの画像検査が行われ、動脈瘤や脳梗塞などが見つかれば、その治療が最優先されます。
一方、糖尿病や高血圧に伴う神経障害が原因の場合は、基礎疾患のコントロールが中心です。
多くのケースでは自然回復も期待できますが、症状の改善には数か月から1年以上かかることもあります。
その間、眼帯やプリズム眼鏡などで複視を緩和する方法も用いられます。
鍼灸の視点からみる動眼神経麻痺
東洋医学では、動眼神経麻痺による目の症状を「気血の巡りの滞り」や「経絡の不通」と捉えます。
脳や目の周囲への血流が滞ると、筋肉の働きが低下し、まぶたや眼球の動きに障害が現れると考えます。
また、ストレスや過労、内臓の不調が背景にある場合も多く、鍼灸治療では全身のバランスを整えることを重視します。
鍼灸の具体的なアプローチ
鍼灸では、局所と全身の両面からアプローチします。
局所的には、目の周囲のツボ(攅竹・魚腰・絲竹空など)に優しい刺激を加えることで血流を促し、筋肉や神経の働きを助けます。
また、頭部の百会や太陽、首肩周囲の風池・天柱なども用いて脳や目への循環を改善します。
全身的には、足の陽明胃経や肝経など「目と関係の深い経絡」のツボ(足三里、太衝、合谷など)を用いて、気血の巡りを良くし、体の回復力を高めます。
お灸による温熱刺激も、自律神経を整え、神経修復を後押しする効果が期待できます。
鍼灸で期待できる効果
鍼灸治療は直接的に神経を修復するものではありませんが、周囲の血流や代謝を改善することで神経再生を助け、自然回復のスピードを支える可能性があります。
また、目の周囲の筋肉の緊張を緩めることで、眼精疲労や頭痛、肩こりなど随伴する不快症状をやわらげることもできます。
加えて、精神的な不安やストレスの軽減にもつながるため、治療中の生活の質を高めるサポートができます。
注意点
ただし、動眼神経麻痺は原因によっては命に関わる重大な病気が隠れていることがあります。
急な眼瞼下垂や複視が出た場合は、まずは必ず眼科や脳神経外科での精密検査を受けることが最優先です。
そのうえで、原因が安定しており、リハビリや補助療法として鍼灸を取り入れることが望ましいといえます。
まとめ
動眼神経麻痺は日常生活に大きな影響を与える症状ですが、原因によっては時間をかけて回復が期待できるものもあります。
西洋医学での適切な検査・治療を受けつつ、鍼灸を併用することで、血流改善や筋肉のサポート、心身のバランス調整といった面から回復を助ける可能性があります。
目の不調に悩む方にとって、鍼灸は「体にやさしい補助療法」として寄り添える存在です。
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