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外転神経麻痺と鍼灸 〜目の動きと全身を整える東洋医学的アプローチ〜

外転神経麻痺とは?
外転神経麻痺(がいてんしんけいまひ)は、眼を外側に動かす働きを持つ「外直筋」という筋肉を支配する外転神経が障害されることで起こる病気です。
外直筋がうまく働かなくなると、目が外側に動かせず、内側へ寄った状態になりやすくなります。
その結果、物が二重に見える「複視」が出たり、頭を傾けないと物が見づらくなるといった日常生活の不便が生じます。
主な原因
外転神経麻痺の背景にはさまざまな原因があります。
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脳血管障害(脳梗塞や脳出血)
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糖尿病や高血圧による血管障害
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頭部外傷
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脳腫瘍や動脈瘤などによる圧迫
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炎症や感染症
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先天性の発達異常
中高年では動脈硬化や糖尿病による血流障害が原因となることが多く、子どもでは先天性やウイルス感染後に起こる場合があります。
西洋医学での対応
治療は原因に応じて行われます。脳や血管に異常があればその治療が優先されます。
糖尿病や高血圧が背景にある場合は生活習慣改善や薬物療法が行われます。
外転神経麻痺自体に対しては、経過観察で自然回復を待つことも少なくありません。
多くは数か月から半年ほどで改善傾向を示しますが、回復が難しい場合にはプリズム眼鏡や手術で複視を補正することもあります。
東洋医学からみた外転神経麻痺
東洋医学では、外転神経麻痺を「目の気血の巡りが滞り、筋肉がうまく働かない状態」と捉えます。
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気血の不足(気虚・血虚):体力低下や慢性的な疲労で目に栄養が届かない
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瘀血(おけつ):血流が滞り、神経や筋肉の働きが阻害される
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肝腎の不足:加齢や慢性病による生命エネルギーの低下で、目を動かす力が弱る
このように、全身の状態と目の働きを関連づけて考えるのが特徴です。
鍼灸でのアプローチ
鍼灸は、外転神経麻痺を直接「治す」ものではありませんが、回復を促し症状を和らげるサポートとして有効です。
1. 局所へのアプローチ
目のまわりや顔のツボに鍼を行い、血流を促進して筋肉や神経の働きを助けます。
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攅竹(さんちく):眉頭にあるツボで目周囲の血流を改善
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太陽(たいよう):こめかみにあるツボで眼精疲労や頭痛を和らげる
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四白(しはく):頬骨の下にあり、顔面や目の筋肉を整える
2. 全身へのアプローチ
全身の気血を整え、回復力を高めます。
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合谷(ごうこく):首肩の緊張を和らげ、顔の血流を改善
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足三里(あしさんり):体力を補い、免疫や回復力を高める
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肝兪(かんゆ)・腎兪(じんゆ):肝腎の働きを整え、根本的な体質改善を図る
3. 自律神経と血流の調整
鍼灸は副交感神経を優位にし、全身の血流を改善する作用があります。
これにより神経への酸素や栄養の供給がスムーズになり、自然回復をサポートします。
期待できる効果
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複視による目の疲れや頭痛が軽減する
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顔や目の血流改善で回復を助ける
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首肩のこりが和らぎ、視界が安定する
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睡眠の質が上がり、自然治癒力が高まる
特に「自然回復を待つしかない」と言われる期間に、鍼灸で体を整えることで生活の質を下げずに過ごせるのは大きなメリットです。
実際の声(例)
鍼灸を取り入れた方の中には「ダブルで見える感覚が少しずつ減った」「目の疲れが楽になった」「肩や首の重さがとれて気分が明るくなった」といった声もあります。
もちろん個人差はありますが、体調全体が整うことで症状の改善を実感しやすくなるのです。
生活習慣の工夫
外転神経麻痺の回復を助けるためには、日常生活の工夫も欠かせません。
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規則正しい生活と十分な睡眠
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ストレスをためないリラックス習慣
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バランスの良い食事(特にビタミンB群やDHA・EPAなど神経に良い栄養素)
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適度な運動で血流を良くする
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長時間のスマホやパソコン作業を控える
鍼灸とあわせて生活習慣を整えることで、より効果的な回復が期待できます。
まとめ
外転神経麻痺は目の動きに支障をきたし、複視など日常生活に大きな不便をもたらします。
西洋医学では原因治療と経過観察が中心ですが、その間のサポートとして鍼灸は有効な手段となります。
鍼灸は目の周囲の血流を促し、神経や筋肉の働きを整えるだけでなく、全身の気血を巡らせて自然治癒力を高めます。
肩こりや頭痛など随伴症状の改善も期待でき、生活の質を守る大きな助けとなるでしょう。
外転神経麻痺でお困りの方にとって、鍼灸は「回復を待つ時間を前向きに過ごすための支え」となるはずです。
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