帯状疱疹が治ったのに痛みが続く——それは「帯状疱疹後神経痛」かも

 

 

 

帯状疱疹は、皮膚に赤い発疹と強い痛みを生じる病気ですが、多くの人は「発疹が治れば終わり」と考えます。

しかし実際には、発疹が治ったあとも痛みだけが長く残り、日常生活に支障をきたしてしまうケースが少なくありません。

この“治ったはずなのに痛い”という状態こそが、帯状疱疹後神経痛(PHN:Postherpetic Neuralgia) です。

 

「薬を飲んでいるのにあまり変わらない…」

「夜になると痛みで眠れない…」

 

そんな悩みを抱える方は、とても多いのです。

ここでは、帯状疱疹後神経痛の原因、症状、治療法、そして鍼灸がどのようにサポートできるのかを、できるだけわかりやすく解説します。

 

 

 


 

 

 

1. 帯状疱疹後神経痛とは?

 

帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルス(VZV)が再活性化して起こります。

通常は皮膚症状が治まると痛みも徐々に軽くなりますが、一部の方ではウイルスによって傷ついた神経が回復せず、慢性的な神経痛だけが残ってしまうことがあります。

これが帯状疱疹後神経痛です。

 

特に以下の方に起こりやすいとされています。

  • 高齢者

  • 発疹や痛みの強かった人

  • 早期治療が遅れた場合

  • 糖尿病など基礎疾患がある人

 

痛みは数ヶ月〜数年続くこともあり、生活の質を大きく低下させます。

 

 

 

2. どんな痛みが出るの?(症状)

帯状疱疹後神経痛の特徴は、なんといっても神経痛特有の鋭い痛みです。

 

患者さんからよく聞くのは、

  • 「針で刺されるような痛み」

  • 「ビリビリ電気が走る感じ」

  • 「火傷のあとを触られるようなヒリヒリ感」

  • 「服が触れただけで痛い」

 

といった声です。

特に寝る前や夜中に痛みが増すことが多く、不眠やストレスを招き、精神的にも大きな負担となります。

 

また、痛みだけでなく、

  • 皮膚の過敏

  • しびれ

  • 感覚の低下

  • 衣類の擦れさえ苦痛になる

 

といった症状が続くこともあります。

 

 

 

 

 

 

3. なぜ痛みが長く続くのか?(原因)

 

帯状疱疹後神経痛の最大の原因は、ウイルスによって傷ついた末梢神経の損傷です。

帯状疱疹が発症すると、ウイルスは神経の中で炎症を起こし、神経線維がダメージを受けます。

その結果、神経が過敏になり、体の動きや軽い刺激にも強い痛みを感じてしまいます。

また、損傷した神経のまわりでは、以下のような悪循環が起こります。

 

  • 神経の炎症が慢性化

  • 血流の悪化

  • 自律神経の乱れ

  • 痛み刺激が脳に伝わりやすくなる

 

このような状態が続くため、皮膚が治っても痛みだけが残ってしまうのです。

 

 

 

4. 病院で行われる治療法

帯状疱疹後神経痛の治療は、多角的に行われます。

 

① 内服薬(神経の興奮を抑える薬)

  • プレガバリン(リリカ)

  • ガバペンチン

  • 三環系抗うつ薬

  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)

神経痛に特化した薬を使い、神経の興奮を抑えます。

 

② 外用薬(塗り薬・貼り薬)

  • lidocaine(局所麻酔成分)

  • カプサイシン貼付剤

知覚過敏を軽減させます。

 

③ 神経ブロック

痛みの信号を一時的に遮断し、改善のきっかけを作る目的で行われます。

効果には個人差があり、「薬で少し軽くなるが痛みが残る」というケースも少なくありません。

 

 

 

 

 

 

5. 鍼灸はどう役立つ?

帯状疱疹後神経痛は「神経の過敏状態」「自律神経の乱れ」「血流低下」が複雑に絡む症状です。

鍼灸は、この3つに同時に働きかけられるのが強みです。

 

① 過敏になった神経を鎮める

微細な鍼刺激により、神経の興奮を抑える作用が期待できます。

とくに痛みのあるエリアの周囲に優しいアプローチを行うと、過敏反応が徐々に落ち着いてきます。

 

② 血流改善で神経の修復を促す

神経は血流が悪いと回復できません。

鍼灸は局所の循環を改善し、修復に必要な酸素や栄養を届けやすくします。

 

③ 自律神経を整え、痛みの感じ方を和らげる

慢性的な神経痛は、自律神経にも強いストレスを与えます。

鍼灸は全身のバランスを整え、痛みの「閾値」を上げて、痛みに過敏になっている状態を軽減します。

 

④ 睡眠の質が上がることで回復力が高まる

痛みで眠れない状態が続くと、治る力そのものが低下します。

施術後に「よく眠れた」と言われる方が多いのは、痛み改善の大切な一歩になります。

 

 

 

6. どれくらい通えば改善する?

 

症状の期間や強さによって大きく変わりますが、

  • 急性期〜3か月以内なら早い段階で改善しやすい

  • 半年〜数年続いている場合でも、痛みが半分以下に軽減した例は多い

という傾向があります。

 

一般的には、

  • 最初の1〜2か月は週1回

  • 改善してきたら2週に1回

というペースが多いです。

 

痛みの種類(刺すような痛み・ヒリヒリ感・触れると痛い…)によって施術方法を調整します。

 

 

 

7. 最後に:痛みは「治まる」可能性があります

帯状疱疹後神経痛は、周りから見えない痛みのため、理解されにくい症状です。

ですが、適切なケアを続ければ、確かに変化が出てきます。

 

  • 「薬だけでは不安」

  • 「根本的に改善を目指したい」

  • 「夜の痛みを少しでも軽くしたい」

 

そんな方の助けになれる方法は、必ずあります。

つらい痛みが続いている方は、どうか一人で我慢されず、専門家に相談してみてください。

痛みのない生活に近づくための力になることができます。

 

 

 

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