立ち上がると耳が「ぽこっ」とする症状と鍼灸

 

 

 

日常のなかでふと立ち上がったとき、耳の奥で「ぽこっ」と音がするような感覚を覚えたことはありませんか?

一瞬のことなので見過ごしがちですが、繰り返すようになると「もしかして体に不調のサイン?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

この「耳がぽこっとする」現象は、耳そのものの問題だけでなく、体全体のバランスとも深く関わっています。

ここでは東洋医学の視点から、その原因や鍼灸によるケアについて解説していきます。

 

 

 


 

 

 

耳で起きていること

 

耳の奥には「耳管」と呼ばれる細い管があり、鼻の奥と中耳をつないでいます。

普段は閉じていますが、あくびや飲み込み動作で開閉し、耳の内外の圧力を調整しています。

立ち上がった瞬間に耳がぽこっと鳴るのは、この耳管が急に開いて圧力差を解消する音であることが多いです。

また、急に立ち上がると血圧が一時的に下がり(いわゆる起立性低血圧)、内耳の血流が変化することで、耳の奥に違和感や音が生じる場合もあります。

つまり耳だけの問題ではなく、全身の循環や自律神経の働きが大きく関わっているのです。

 

 

 

 

 

 

 

東洋医学からみた耳の不調

 

東洋医学では、耳は「腎」と「肝」に深く関わると考えられています。

 

  • は「精」を蓄え、生命力や耳の働きと直結しています。腎の力が弱ると耳鳴りや難聴が現れるとされます。

  • は「気血の流れ」をコントロールし、自律神経に似た働きを担います。肝の働きが乱れると気血がスムーズに巡らず、耳のつまり感や圧迫感につながります。

 

立ち上がったときに一瞬ぽこっとするのは「気血の巡りがスムーズでない」「腎や肝の働きが弱っている」サインと捉えることができます。

疲れやストレス、不眠、冷え、加齢などもこうした働きに影響します。

 

 

 

 

 

 

鍼灸でできるアプローチ

 

鍼灸では、耳そのものに直接アプローチするだけでなく、全身のバランスを整えることを大切にします。

 

  1. 耳周囲のツボ
     耳のまわりには「翳風(えいふう)」「聴宮(ちょうきゅう)」など耳の通りを良くするツボがあります。ここに鍼やお灸をすることで、耳管の働きを整え、こもり感や圧迫感をやわらげます。

  2. 全身の循環改善
     「合谷(ごうこく)」「足三里(あしさんり)」など、気血を巡らせるツボを使い、自律神経や血流の安定をはかります。立ちくらみや耳の違和感の背景には循環不良があるため、耳だけでなく体全体を整えることが重要です。

  3. 腎と肝を補うツボ
     「腎兪(じんゆ)」「太谿(たいけい)」「太衝(たいしょう)」などを用いて腎や肝の働きをサポートします。これにより耳の健康だけでなく、疲れや冷え、不眠など全身的な不調の改善にもつながります。

 

 

 

日常生活でできる工夫

 

鍼灸治療に加えて、普段の生活習慣を見直すことも大切です。

 

  • 急に立ち上がらず、少しゆっくりと動く

  • 水分をしっかりとる(血流や自律神経の安定に役立つ)

  • ストレスを溜めない、睡眠を十分にとる

  • 耳の違和感が続く場合は耳鼻科での検査を受ける

 

こうしたセルフケアを組み合わせることで、鍼灸の効果もより高まりやすくなります。

 

 

 

まとめ

 

立ち上がったときの「耳がぽこっとする」感覚は、多くの場合一過性で心配はいりません。

しかし繰り返すようであれば、体の循環や自律神経のバランスが乱れているサインかもしれません。

東洋医学では「腎」と「肝」の働きを重視し、鍼灸によって全身を整えることで耳の症状を和らげていきます。

耳の不調は体の不調の一部として現れることが多いため、耳だけでなく全身をみてケアすることが大切です。

「小さな違和感」を放置せず、体からのサインを受け止めてみませんか?

鍼灸はそのサポートとして、自然に寄り添いながら健やかな日常へ導いてくれる力を持っています。

 

 

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